正常価格の評価であるにもかかわらず、取引事例比較法において採用した事例はいずれも借地人・底地所有者間売買の事例であり、補正も行われていない。借地権の不動産鑑定、

借地権の不動産鑑定で、正常価格の評価であるにもかかわらず、取引事例比較法において採用した事例はいずれも借地人・底地所有者間売買の事例であり、補正も行われていない。との指摘です。正常価格は利害関係のない誰でも参入可能な市場で、利害関係のない第三者により形成される価格であるところ、本件不動産鑑定評価においては、いずれも借地人・底地所有者間、つまり利害関係のない第三者が参入できない、極めて閉鎖的で限定的な市場での売買事例を採用してしまった点で指摘を受けました。

取引事例比較法全般に言えることですが、まずは標準的画地との類似性が担保される取引事例を検索、採用し、地域、物件の特殊性等により、標準的画地に類似した取引事例がない場合等には、次善策として類似性の周辺事例を利用するというのが実務的な対応策です。借地権の標準的画地の設定自体、困難だと思いますが。

本件不動産鑑定評価は先に示した次善策での対応でしたが、その場合は取引事例に対して事情補正が必要となりますので、その事情補正を怠った点において指摘を受けた状況だと思われます。

実際、借地権の事例は圧倒的に少ないため、次善策での対応を実務的にも余儀なくされております。