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建付地の不動産鑑定評価において、取り壊し最有効と判断しているとの指摘です。 不動産鑑定評価基準上、建付地とは、【建物等の用に供されている敷地で建物等及びその敷地が同一の所有者に属し、かつ、当該所有者により使用され、その敷地の使用収益を制約する権利の付着していない宅地をいう。】ものとされています。また、要説には建付地とは、【建物等と結合して有機的にその効用を発揮しているものであり、建物等との関連において最有効使用の状態にあるか否かが左右されるものである。土地は、法律上独立の不動産として規定されており、建物も同様である。しかし、機能的にはこの両者が結合した状態を所与として価格が形成されているので、鑑定評価上は、土地と建物の一体としての価格を土地と建物とに振り分けることとしている。これが、土地又は建物について有機的一体物の部分としての評価、すなわち部分鑑定評価の存立の根拠となるものである。】との記載があります。つまり、建付地として部分鑑定評価可能な状態とは、土地と建物が結合して、有機的(=多くの部分が緊密な連関をもちながら全体を形作っているさま。大辞泉より)に効用を発揮していることが条件であり、取壊し最有効と判断してしまいますと、土地と建物は有機的には効用を発揮していないと判断したこととなり、建付地としての部分鑑定評価はそもそも不可能となってしまいます。本指摘は、不可能を可能としてしまう論理に対する警告ともとれます。なお、取壊し最有効と判断した場合の類型は「自用の建物及びその敷地」となります。